解決すべき都市・地域の具体的な問題とその原因、ボトルネック

地域産業の活性化など持続可能な地域生活を実現するためには
それらを支える公共資産の適切な維持・整備が不可欠であるが、
多くの地方都市では人口減少や少子・高齢化に伴う財政状況が厳しく
自治体職員らは公共資産の整備計画の策定に苦慮している。

その最大の理由は、
「目指すべき公共資産整備の姿」を明確に持つ自治体職員が少ないからだろう。
しかしこれは単なる自治体職員個人の資質の問題ではなく、
・客観的な情報収集・分析を計画策定にまで繋げる仕組み
・積極的な活動や負担低減を地域全体で支援する体制
が存在しないためではないだろうか。

本提案における持続可能な都市・地域のビジョン

自治体職員が、
客観的な根拠に不可欠な情報収集・評価・計画策定を
多世代の住民とともに共創する一連の手法を確立する。

→ 自治体職員の活動支援や負担低減を実現しつつ
 公共資産整備の進むべき姿を共に見出す仕組みを構築する。

公共資産整備の進むべき姿を明確に持ち実行に移せる自治体職員を育てることは、
最終的には住民の意識や責任の問題であり地方都市の存続にかかわる要点でもある。

自治体職員と住民が公共資産整備を通して
生産活動の目指すべき姿を共創する基盤が整備されれば
持続可能な地方創生の実現に繋がるだろう。

ビジョンを実現するためのプロセスと体制、そこにおける多世代共創

「2つのリサーチクエスチョン」

○自治体任せではなく地域全体で公共資産整備を共創する仕組みが構築できないか?
→ 自治体職員だけでなく多世代の住民が収集した情報や知見を一元化し活用することで、
 整備計画策定に不可欠な自治体職員の積極的な活動や負担削減を実現するシステムを構築する。

○地域を活性化し豊かな地域生活を実現する公共資産を整備・継続させる体制を実装できないか?
→ システムの運用や公共資産整備に求められる人材育成などを担う第三者組織を設立することで、
 全国の自治体と住民による公共資産管理の共創を実現させる継続的な支援体制を整備する。

本提案における多世代共創の概念

多世代=「高齢者」「社会人」「学生徒」「乳幼児」

生産活動の主体となる「社会人」は、
仕事や家事そして「幼児童」の対応に追われ自治体との取り組みに参加できていない。

→「学生徒」自らが公共資産整備に参加する仕組みを創設することで、
「高齢者」や「社会人」らも巻き込みながら地域全体を生産活動の主体に転じさせる。

多世代共創

新たな公共資産整備スキームの概念

・自治体職員と住民による公共資産情報の収集
・分析・共有を実現する仕組みの検証
・自治体職員と住民による公共資産の整備計画策定手法
・公共資産管理の進むべき姿の共創を継続的に支援する組織体制の整備

→ 多世代の地域住民らが自ら積極的に参加し創り上げる新たな公共資産整備スキームを構成

仕組と支援

研究体制の概要

産官学による役割分担(PDCA)と相互協力を担える人材・体制※幅広い専門家との連携
→ 3年以内の社会実装を実現(全国に展開)

研究メンバー

(2017年4月時点)
◎:研究代表
○:グループリーダー
※:兼任

マネジメント(A)グループ

堤洋樹(前橋工科大学)◎※
小松幸夫(早稲田大学)
秀島栄三(名古屋工業大学)
讃岐亮(首都大学東京)○※
寺沢弘樹(日本PFI・PPP協会)○※
池澤龍三(建築保全センター)○※
恒川淳基(日本管財)※

本プロジェクトの全体統括・研究推進及び仕組み全体の最終調整(PDCAサイクルの「A」)を担当する。

支援(C)グループ

池澤龍三(建築保全センター)〇※
角洋一(アバンアソシエイツ)
田辺寛明(リテックエンジニアリング)
伊藤杏里(アバンアソシエイツ)
窪田豊信(日本管財)
水出有紀(群馬県建設技術センター)
堤洋樹(前橋工科大学)◎※
恒川淳基(日本管財)※
糸山克平(日本管財)
海川拓也(日本管財)
堂代千絵(日本管財)

主に「産」の立場から、住民と自治体職員による資産整備計画策定の継続的運用の仕組みの構築と検証(PDCAサイクルの「C」)を担当する。

構築(P)グループ

讃岐亮(首都大学東京)〇※
高口洋人(早稲田大学)
朝日ちさと(首都大学東京)
松村俊英 (クロスポイント・コンサルティング)
斎藤彰(JM)
村上実由紀(JM)
堤洋樹(前橋工科大学)◎※
恒川淳基(日本管財)※

主に「学」の立場から、住民参加型情報システムの構築と情報・仕組みの整理・体系化、そして会計・法規・政策・体制などなどの規制に対して解決案とその活用方法を提示する仕組みづくり(PDCAサイクルの「P」)を担当する。

実証(D)グループ

寺沢弘樹(日本PFI・PPP協会)〇※
坂部英昭(前橋市)
宮崎正人(会津若松市)
山崎直人(犬山市)
堤洋樹(前橋工科大学)◎※
恒川淳基(日本管財)※
秋葉芳(前橋工科大学)

主に「官」の立場から、ワークショップや勉強会などを実施し自治体職員と住民が同じ公共資産整備の目標に向け共創できる仕組みづくりの実証(PDCAサイクルの「D」)を担当する。


RISTEXは、戦略的創造研究推進事業における社会技術研究開発の実施、またその他の研究開発にかかわる事業を推進しています。
研究開発活動によって社会の問題解決に寄与する成果が期待できる分野に、「研究開発領域・プログラム」を設定し、それぞれの領域総括あるいはプログラム総括を中心に研究開発活動を推進しています。
『研究開発成果実装支援プログラム』では、研究開発成果などを活用・展開して、社会の具体的な問題を解決する取り組み(実装活動)を支援しています。国などの公的研究開発資金で創出された成果の実装活動を対象とした<公募型>とRISTEXが実施した研究開発領域・プログラムで創出した複数の成果を集約・統合(パッケージ化)して実装を目指す<成果統合型>があります。

「持続可能な多世代共創社会のデザイン」研究開発領域について

http://ristex.jst.go.jp/examin/active/i-gene/i-gene.html

RISTEXは、平成26年度の新規研究開発領域として「持続可能な多世代共創社会のデザイン」を設定し、活動を開始しました。
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